信州は安曇野に辿り着く
こんにちは、ポンです。
気づけば年末、もう今年が終わる。
前回京都でヴィパッサナー瞑想を終えたのは、9月中旬。そこから滋賀、岐阜と抜けて次の目的地は長野県。この日本一週旅を始めるから、長野に俺は呼ばれていると感じていた。
信州さすらい編
(9月下旬~9月末)
木曽路を通って遂に待望の信州へ上陸!
眼前に広がるのは、中央アルプス。その雄姿を見ると、テンション上がる!
さすが長野、どこに向かっても山だらけなので、自転車はキツイ。だが、絶景を眺めながら走れるのは、山好きとしてご褒美だ。
上田市の本屋「Nabo」。
本のセレクトが良い!でも、9月末でお店を一旦休むという。残念。。。
アルプスと夕焼け。景色が最高なので、今夜はこの公園で一泊。
夜明け。
アルプスとモーニングコーヒー。
鬼無里村のおやき店「いろは堂」。有名な老舗で、「長野 おやき」と検索すれば、いろは堂が一番上に出てくる。ここに来るのは二回目。25年ほど前に家族で長野にドライブ来たことがある。美味しかった記憶がありまた来たいと、ずっーと思っていた。前回来た時は、俺は幼くクネクネした山道で車酔いをした。今回はその道を自転車で行く。
という訳で、念願の25年ぶりのいろは堂!
久々に食べたおやきは、期待を裏切らない美味しさ!皮は外側はサクサクで内側はモッチモチ、餡はギッシリ。サクサクの秘密は、ちょっぴり入ってる砂糖がキャラメル化されたから。
いろは堂のおやきが一番好き!!!
北安曇野郡のおやき店「さかた菓子舗」。
ここのおやきも、かなり美味しい。
おやきめっちゃ好き!
安曇野地球宿WWOOF編
(10月~11月中旬)
安曇野の農家民宿「地球宿」でWWOOFをする。
ここ地球宿は、古民家を利用した宿泊施設で時給した農作物(米、麦や野菜など)をふんだんに使った健康的な料理が楽しめる。宿泊するゲストも希望すれば、農作業を体験することもできる。
WWOOF(ウーフ)は、農家に泊まり込みで農作業をお手伝いすること。
宿の様子。
ある日の晩御飯。
ドイツ人ウーファー・ユリアン。スタッフだけでなく、俺らウーファーも料理を作ったり手伝ったり。
稲のはざがけ。
バインダーで刈り取った稲をはざ棒に掛けて、干す。
稲の手刈り。
バインダーで刈り取れなかった稲を収穫。
米の脱穀。
ハーベスターを使い、脱穀する。スタッフやウーファーだけでなく、ご近所さんにも手伝ってもらったり皆で協力して作業。
今夜の飯は、獲れたての新米じゃー!!
収穫した新米を食す。
旨し。日本に生まれて、幸せだー!派手なおかずは要らない。味噌汁、漬物や佃煮、そして主役の米。これで充分。いや、贅沢だ。
ユリアンは気さくで他人に配慮できるナイスガイだ。ある意味日本人に似てる、配慮ができる男。
彼とドイツにおけるナチスの歴史教育について話した。ドイツ国内では、小学校と早い段階で自国の負の歴史=ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を教育する、と俺は聞いたことがある。素晴らしい。日本も同じ事をした方がいいと思った。
俺はユリアンに言った。
「日本だって、戦争中に韓国、中国、台湾、シンガポール、マレーシアなどのアジア諸国に侵略をしてきた。その際、虐殺、略奪やレイプなどの残虐行為をしただろう。確実に。(これは日本だからという訳ではなく、戦時下という異常な状況でどこの国も大なり小なりやった事、だと俺は理解している。)だが、日本は、日本政府は、日本の教育現場では、ほとんど、もしくは全くそのことに、自国の非人道的行為を子供たちに教育していない。自分たちの非を認めて、二度と同じ悲劇を繰り返さない為に、日本の負の歴史を教えるのは大事だと思う。」
俺は彼が自分に賛同してくれると思っていた。すると、彼の反応は意外なものだった。
「負の歴史を教えることが、必ずしも良いことだとは思わない。自分は小さい頃から、毎年のようにナチスの残虐行為について教わってきた。そのことが、テレビからも流れてくる。そうすると、自分が責められてるように感じてくる。自分もドイツ人だ。何百万とユダヤ人を殺した祖先の血が、自分にも流れている。すると、自分自身も酷い人間のように思ってしまう。そのことが辛かった。だから、歴史を教えるのが良いことかわからない。少くとも、教えるのに適齢期があると思う。例えば、15才とかその事実と向きあえるちゃんとした年齢になってから、教えるべきだ。」
と言う。
なるほど、そんなこと思ってもみなかった。自分が穢らわしく思えて自己嫌悪になるのか。そう感じるのが、ドイツ人一般の感覚なのか、彼個人の場合かはわからない。機会があれば、別のドイツ人に訊いてみよう。ともかく、とても有意義な話だった。
災害ボランティア参加
秋の台風で千曲川が決壊して甚大な被害を受けた長野県。地球宿のスタッフたちと長野市松代地区へ日帰りボランティアに行くことになった。
ゴミの仮仕分け・置き場に使用されている公園。
浸水してしまった家財ゴミの運び出し。
俺らがお手伝いしたことは、
・ゴミを軽トラで公園に運搬
・泥に浸かった倉庫の清掃
お手伝いしたお宅のおじいさんが、とても印象的だった。俺らが一つ一つのゴミを運ぶ度に、「ありがとう。」と笑顔で感謝してくれるのだ。こちらが恐縮してしまう程に。おじいさんとお宅や周辺地域の被害状況について話しした。話ししてる間、俺はずっと彼の「目」を見ていた。「負の感情」がその目に宿っていなかったのだ。俺はそれにとても感銘を受けた。なぜ、って?だって自分が彼の立場ならどうだろう。長年住んできた思い入れある家が泥水にさらされ、更に大切な家具を捨てるなんて。俺なら、悲しみにくれたり絶望するだろう。ひょっとしたら、彼もそうなのかもしれない。でも、それを感じさせず些細な俺らの手伝いに感謝してくれる。その前向きな心持ちが素晴らしい、と思った。
全てのボランティア作業が終わった。すると、おじいさんが「どうもありがとう。」と言う。キラキラした目とかわいらしい笑顔で。こちらこそ「どうもありがとう。」だよ、おじいさん。何か大切な事を教わった気がした。今回が、俺にとって人生初の災害ボランティアだったが、この経験が出来た事に感謝する。
無事ボランティア作業終了、地球宿スタッフたちと記念撮影。
信州の自然と触れあう編
常念岳登山
チャリで登山口まで登る。中々にしんどい。
でも、ご褒美はこの絶景!
松本平方面の景色。
槍ヶ岳。
常念小屋前にて。
時間切れで頂上まで行けず、常念小屋まで。数年前に表銀座を縦走して以来の北アルプス登山。次回はもっと時間に余裕をもって、登りたい。
上高地へサイクリング
登り坂しんどーーーっっっ!!!
上高地への道は、坂坂そして坂、坂&坂&坂。。。ひたすら上り坂。しかも、相当な急傾斜。空荷の自転車でも、何回か休憩を強いられる。そんな道を、ひぃこら言いながら漕いでいると、前方に荷物満載の自転車が二台先行しているではないか!自転車に追いつき話しかけると、スイスのカップルだった。自転車で日本旅行中で、こらから上高地へ行ってテン泊して、からの登山をすると言う。いやー、たくましい!こちとら、荷物無しでも相当キツイのに。彼らに別れを告げてしばらくすると、また別の外国人チャリダーたちが。皆、大荷物だ。今や、日本の至る所で外国人観光客を見かけるが、上高地へチャリで攻めるとは。驚く。
数年振りの上高地は、やはりキレイだった。
松本散策編
松本市内の公園の池。
驚くほどに水がきれい。北アルプスの湧水だろう。
松本市街地。
街中を流れる用水路?も、この透明度。
街中のあちこちで、こういった井戸水が湧いてる。水がキレイな街は素晴らしい!
アジア料理屋「がねいしゃ」
前から行ってみたかった「がねいしゃ」。日曜だったこともあってか、入店まで30分待つ。人気店のようだ。
メニュー。
ホルモンスパイシーカレーとキーマカレーのハーフ&ハーフ。まず、彩りがキレイ。食べてみると、スパイスが効いていてとても美味しい!どんなスパイスを使っているんだろう?カレー作り上手くなりたい。
他のメニューは、カオマンガイやガパオライスなどのタイ料理が並ぶ。店の本棚も充実していて、「南インド風カレーの作り方」や旅雑誌「Transit」が置いてある。次は、平日の落ち着いた時間帯に、カオマンガイ食ってチャイを飲みながら本を読んでゆっくりしよう。
おぐらやま農場編
(11月中旬~12月下旬)
りんごと果樹園と北アルプス。
安曇野のりんご農場「おぐらやま農場」でウーフ。作業内容は、りんごの収穫、選果(仕分け)、荷造り(梱包&発送準備)、そして果樹の剪定。
収穫中にふと見上げると、虹。
ウーファーたちと。
お天道様の下で美しい山々を背景に仕事できて、とても気分が良い。
ウーフホストの家族とウーファーの皆で、おやき作り。
これ以外にも、ほぼ毎日俺は料理を手伝う。一品何か作らせてもらったり。料理上手くなりたい。
おやきを作ってみたい、とずっと思っていた。その願いが叶った。それくらいおやきが好きだ。野菜多めで健康的な食べ物だと思う。
日本のアニメが好きなシンガポールのウーファー・シィッドが焼く。シンガポールでは、農場で働いている。シンガポールはとても小さい国で、端から端まで車で一時間半。東京都より小さいだろう。そんな狭い国土だから、ほとんどの作物を近隣国から輸入している。だが、輸入野菜は農薬を多量に使い、美味しくないらしい。シィッドの農場は、農場を使わず有機栽培している。が、そこの農場の作物は輸入野菜の20倍もの値段だ。それほど、シンガポールでは有機野菜は希少なのだろう。
うまく焼けた!
野菜の味噌炒めおやき。他にも、マグロおやき、りんごおやき、グリーンカレー炒めおやきなど、変わり種を作る。どれも旨し。
ホストファミリーの子供たちと。
はて?誰でしょう??
おしゃべりでムードメーカーのカナダ人ウーファー・ステフ。彼女も、カナダの農場で働いている。
俺がおぐらやまを旅立つ前日の夜、子供たちがお好み焼きを作ってくれた。サクサクしてて美味しかった。ありがとう!
誰にでもフレンドリーな素敵な家族
だった。本当に暖かで素敵な場所だった。次回は、その事について書こうと思う。