さらば原っぱ、九州一周旅終了
こんにちは、ポンです。
竹田市を出発して、大分で農業をやり始めた友人宅へ。
ケンちゃん(左の日本人男)と、ナッちゃん(ロシア女子)カップル。原っぱカフェで、一緒に働いた仲だ。彼らは大分に家と土地を買い、農業をしている。その手伝いにきた。ちなみに、写真右の男はシンちゃん。写真には写ってないが、お母さんのジュンコさんと一緒にオーストラリアから日本を旅行中。みんな原っぱ繋がり。
彼らのお宅。のどかでシンプル、良い雰囲気。
庭に蓮。
インド好きの彼らに、ぴったりなロータスの花。
家の本棚。人の本棚を見るのが好きだ。カフェやレストランでもそう。その人がどんな人か、本棚に反映されるから。
インドスパイスの本があったので読む。スタータースパイスとは。ふむふむ。原っぱでカレーをちょいちょい作ってたので、スパイスの知識がちょっーぴりついた。クミン、カルダモン、コリアンダー、ガラムマサラetc. カレー作りは、驚くほど奥が深い。
皆で農作業のお手伝い。
苗を等間隔で同一線上に植えていく。手作業。人生初の田植え。人数が多ければいいが、一人だと孤独で果てしない作業だ。
皆でワイワイ作った夕食。料理好きが集まって作ったので、どれも大変美味しい。
原っぱ同窓会。
ケンちゃんナッちゃんのお宅を後にし、シンちゃんジュンコさんと一緒に原っぱカフェへ向かう。彼らも俺と同じく原っぱでまたボランティアする。リピーターだ。そして、俺は1ヶ月ぶりに原っぱへの帰還。久しぶりに原っぱへ戻ると、「帰ってきた」という感覚を覚えた。半年間もこの場所にいたのだから、それも当然か。
大工仕事が得意なメンバーは、音楽を演るテラスを作ったり。
由布岳近くの農家へ小麦の収穫手伝い。
お気に入りの別府うどん屋「日高うどん」で食い納め。ごぼ天うどん。
原っぱのボランティアたちと常連客たちと。
リュウジさんと他のボランティアも一緒に。
九州旅で大変お世話になったドラッグストア「コスモス」。薬だけでなく食料品も沢山売っていて、スーパーよりも安かったりするので重宝した。
数日間手伝いして、遂に原っぱを旅立ち。ボランティアの皆とリュウジさんに別れを告げる。次にここに戻ってくるのは、一体いつになるだろうか。わからないが、また戻ってきたい。
原っぱカフェは、とてもクリエイティブな場所だ。ある人は料理に、ある人は音楽に、ある人は大工仕事に、のめり込む。そうして、創造的な空気がカフェに流れる。人と人が刺激し合う。俺の場合は、料理に打ち込んだ。料理をするのが好きになった。料理は、一生ものの技術だ。死ぬまで使うことができる。ここで得た料理の技術と情熱は、無くさないでいたい。
由布院の街を抜ける。別府への道のりは峠越えだか、1ヶ月間の九州旅で鍛えられた足はこれっぽっちの坂ではお茶の子さいさいだ。由布市と別府市の境で由布岳を横目に見ながら、「ありがとうございました」と小さい声で呟く。山を下り別府に入る。この街も原っぱ滞在中に何度か来た。少し寄り道する。大分市にある好きな本屋「カモシカ書店」へ向かう。
別府から大分への道は、海沿いのサイクリングロード。道幅が広く、運転に神経を遣わずに済む。程よい日射し。心地よい海風。頭を空っぽにする。気持ちがよい。
カモシカ書店に着き、飲み物を注文する。今日はどんな本を読もうか。
キューバ。どんな国なんだろうか。チェ・ゲバラ、カストロ議長、キューバ革命、サルサ。。。知ってる知識は、この程度だ。
良い街並み。
チャイを飲む。程よい甘さに、ほんのりスパイスの辛味がよいアクセントになってる。訊くと、クミン、カルダモンやガラムマサラなどのスパイスが入っているらしい。ああ、原っぱでチャイを作ってみればよかった。
大分から別府への帰り道、夕暮れと別府の街並み。明日7ヶ月もいた九州を発つと思うと、感傷的になる。
翌日。さあ九州旅立ちの日だ。公園に張っていたテントを撤収していると、犬を散歩している地元のおいちゃんに話かけられる。おじちゃんが俺のことを気に入ったのか、
「ちょっとあげるから待っとき。」
と自分の車に何か取りに行く。やらしい話、旅をしているとこういうことはちょいちょいある。お茶かお菓子でもくれるのかな、と待っていたら、
「はいよ。」
と、2000円を手に持っている。驚いたが、有りがたく頂いた。おいちゃんに感謝を述べ、フェリーターミナルに行く。窓口で切符を買っていると、ポンポンと肩を叩かれる。振り向くと、さっきのおいちゃんが。「どうされたんですか!?」
と訊くと、
「ちゃんと切符買えてるか心配で。」
と言う。それから、おいちゃんは
「昼飯買ってあげるよ。何が食べたい?」
と言うではないか。
「いやいや。そこまでして頂くわけには!」
と断ろうとするも、おいちゃんは買う気マンマンだ。
弁当、お茶、そして大分土産(!)まで買って頂いてしまった。なんとお礼を言っていいのか。ただ、
「本当にありがとうございます。」
と言うしかない。おいちゃんは、さっきの公園からわざわざ車で追いかけてきてくれたのだ。
こういう施しを受ける度に思うことがある。今は受ける側だが、この受けた分は将来他の誰かにお返ししよう。そうして、幸せや思い遣りを循環させていくのだ。
大まかな九州一周旅の経路。細かい寄り道や違うルートを通ったので、実際には1,200キロほど走ったと思う。かかった日数は、1ヶ月ちょっと。
フェリーに乗り込む。バイバイ九州。また次のステージへ。