鹿児島のつけあげ
こんにちは、ポンです。
九州はもうすぐ梅雨になる。その前になるべく旅を進めたい。(5月30日現在。)けど、面白そうなものがあったら、立ち止まる心のゆとりは持っていたい。この時期は、野宿をするのに快適だ。暑すぎす寒すぎす。蚊、ブヨやアブも少ないし。
さて、霧島をあとにし山をグングン下ると、たどり着いたのは鹿児島県。
霧島市から眺める桜島。噴煙を上げている。また活動中の火山だ。阿蘇、霧島、そして桜島。九州は火山だらけだ。
スーパーにて焼き芋。さすが鹿児島県。
桜島を眺めながら海岸線を走る。橋が架かっている場所が、桜島と本州(大隅半島)が唯一繋がっているところ。
まさかり温泉。九州を回ったチャリダーに以前会ったことがあり、ここをオススメされたのだ。
ユニークな雰囲気。お湯に入ると、底に白い結晶が沈殿していて、鉄の匂いがする。居合わせた地元のおいちゃんたちとしばしおしゃべり。訛りが強くて会話するのに苦労する。だが、それがいい。旅をしているなと実感する。入浴代は¥390とリーズナブル。
翌日、近くの「みなと食堂」へ。ここ垂水市はかんぱちの養殖が盛んで、全国シェアの半分以上を占める。土曜日ということもあり、開店時には既に10人ほどのお客さんが並んでいた。
じゃーん!見よ、このボリューム。この量で¥1,200也!
かんぱちの刺身。うまうま。
かんぱちのあら煮。旨みと甘みが体中に染み渡る~。ご飯がすすむ、すすむ。
お腹を満たした後は、対岸の薩摩半島へ渡るためフェリーに乗る。
根占港のフェリーターミナル。
ここから、本州最南端の佐多岬までもう少し。だが、行かない。最南端とか端っことか、あまり興味がないのだ。
フェリーがやってきた。あれに載り込む。
この旅、初めての船旅。
錦江湾を進んでいく。船が立てる白波をボーっと見つめる。
何で、俺は海よりも山の方が好きなんだろう?海も好きになれば、アップダウンがうんざりするほど多い半島や海岸線を自転車で行くのも、苦じゃなくなるのに。マリンスポーツをやってみたら、海が好きになるのかな。だったら、どれがいいだろう?スキューバダイビングとかよりも、SUPやシーカヤックの方がいいな。
海といえば、ニュージーランドで出会ったあいつは、海が好きでライフセーバーをしてたって言ってたな。伊豆のリゾバで出会った女の子はサーフィンで東京オリンピック出場を目指してたな。元気かな。
と、物思いに耽っていたら、フェリーは到着。
海のすぐそばにそびえ立つ開聞岳。こういう富士山みたいな単独峰で、山の裾野がそのまま海に繋がっているというのは珍しい。今夜はここの公園で野宿。大戦で亡くなった方たちの慰霊公園。テントを張る前に一応、「安らかに眠ってください。そして、一晩だけここで野宿させて下さい。」と祈る。一人っ子一人いない夜の慰霊公園というシチュエーションはなんか見ちゃいけないものが見えるんではないか、という気持ちになる。
何事もなく無事に次の日を迎えた俺は、開聞岳に登山しに行く。
登山口。開聞岳の標高は924m。登山口の標高は100m程だろうから、かなりの標高差。そして、急傾斜と評判だ。標準コースタイムは5時間30分。
登り始めてすぐは、樹林帯。曇って湿気があるので、アマゾンの熱帯雨林のようだ。日本のだいぶ南に来ているな、と実感する。
そのうち、登山道が細かい石でジャリジャリとしたものに変化してきた。こういうのが一番嫌いだ。登りの時は、滑って登りつらい。下りの時は、とても滑りやすい。実際に何人かの人が転んでるのを目撃した。
こういうゴロゴロした石の方が歩きやすい。
なんて、してたら頂上に着いた。
頂上からの眺め。
池田湖が見える。ガスってあまり景色が良くないのが残念。PM 2.5の影響らしい。思い返せば、2週間前の阿蘇くらいからずーっと空に靄がかかってる。
本州最南端の駅。
指宿(正確には近くの山川温泉)といえば、砂風呂っしょ。
ということで、トライ。体がじんわり暖まる。
指宿をあとにして北上。鹿児島市に到着。
鹿児島銘菓のかるかんを食す。
山芋が入っているので、もちもちした食感が良い。女の子はみんな大好きサツマイモだし、お土産によさそう。
フェリーで桜島へ。15分100円。安っ。そして、24時間運航。島民たちの足、なんだろうなと思う。
桜島の観光案内所にあった桜島の噴火回数。年によっては、1日1回以上噴火していることに驚く。
灰を集める専用袋の展示。実際に、鹿児島市内でこれを見かけた。それだけ、桜島の噴火が市民にとって日常なんだろう。そういえば、降灰がある日にコンタクトレンズをしていると目が痛くなるらしい。というか、実際に鹿児島市内にいた時に目が痛くなった。降灰が無い日でも、道端にある灰が舞うことがあるらしい。鹿児島に住む人はコンタクトできないんじゃ。。
観光案内所を出て桜島を回っていく。一周40キロほど。
展望台から桜島と溶岩。
噴火で埋もれた鳥居。大正大噴火で軽石や火山灰が2m以上も堆積して埋め立ててしまった。
桜島観光を終え鹿児島市を出発し、国道3号線を北上。原発がある薩摩川内市を抜け、着いたのはいちき串木野市。ここはつけあげが有名だ。つけあげ。要はさつまあげだ。つけあげの語源は、琉球料理の魚のすり身を油で揚げた「チキアーギ」が鹿児島に伝わり、それがつけあげに訛ったらしい。そして、それが関東に伝わったときに薩摩のつけあげ=さつまあげ、になったとか。だから、鹿児島の人はさつまあげと呼ばず、つけあげと言う。といことがつけあげに特化したフリーペーパーに書いてあった。なるほど。そのフリーペーパーで目星をつけたお店に行ってみる。
松下商店。雰囲気がよさそうだ。
到着してみると、いたって地元のお店という感じ。期待できそう。
店内に入ると、ショーケースの中に色んな種類のつけあげが並んでいる。さつまいも、じゃこやあおさ桜えびと珍しい種類もある。人柄が良さそうなご主人に訊くと、量り売りだけでなくバラ売りでもOKとのこと。自分は一人なので大量に買うわけではないので、ありがたい。というか正直いうと、味見したいだけだ。なので、食べたいやつ何種類かを一つずつ買わせてもらう。食べてみると、ほんのり甘い。優しい味だ。一般的なさつまあげといえば、醤油につけてわさびなんかと一緒にたべたりするものだか、ここのつけあげは下味がしっかりついている。醤油なんかいらない。訊いてみると、酒の甘さだそうだ。美味しい!追加で他の種類のも買って試してみる。
お気に入り、しそ昆布。しその風味と昆布の旨味が絶妙。
野菜つけあげ。
あまりにも気に入ったので、家族と知人の分を購入して宅配することにした。そして、なにより親切なご夫婦との出会いが嬉しかった。つけあげを食べに、ご夫婦とおしゃべりしに、また来たいなと思った。