過酷な霧島山への上りと、美しい霧島ハイキング。
こんにちは、ポンです。
ある朝、起きていつも通りテントを撤収しようとしたら、テントのポールに何かがいた。
うおっ!ムカデや!一度だけ刺されたことあるが、中々痛い。刺されなくよかった。
さて、前回の阿蘇、高千穂と山を満喫した後は、山を下り宮崎県の平野部へ向かう。延岡に出て太平洋を左手に見ながら南下し宮崎市内へ。
スーパーにてマンゴー。南国ですなぁ。てか、値段高っ!高級なものだと、1つ5000円もする。昔は、1000円くらいだったとは、地元民の弁。
宮崎といったら、チキン南蛮。宮崎県内で三度も食べたうちの一番美味しかったのがこれ。鶏肉は甘く下味がつけられている。みりんと砂糖が多めに入ってるのかな?タレは、通常のタルタルソースとゆず風味のものと、2つ味わえる。ちなみに、このチキン南蛮は意外にも道の駅のもの。道の駅も美味しい場所があるな。
さて、宮崎市をあとにして次に向かうは霧島地方。山好きとしては、霧島山地は見過ごせない。地図を見ると霧島山地を満喫するには、えびの高原という場所が良さそうだ。霧島山の真ん中にあるみたいだし。霧島といっても、大したことないやろ。こないだは阿蘇の山々を越えてきたし、ヨユーヨユー。などと下調べもよくせずに、ハンドルを霧島へ向けた時は、このあと何が待ち構えているのかは知る由もなかった。。
道中、無人販売所でいちごを発見。
1パック200円也。安い、よね。スーパーで買うと、3~400円するイメージなんだが。というわけで、購入。旅行中は果物や野菜が不足ちがちなので、チャンスがあれば積極的に摂取したい。
国道から霧島山地へと向かう県道がどこだかわからない。地元の人に道を訊ねると、その県道は火山活動の為に通行止めで、迂回しないといけないと言う。訊いといてよかったー。ネットで調べるのも便利だけど、やはり生の情報て大事や。
さて、迂回路に入り霧島山を目指す。目指すえびの高原まで12km。山の中に入る。すると、目の前に現れたいきなりの急坂に面食らう。
「嘘やろ?中々に急やんけ。。」
登り始めて、1~2分でふくらはぎと肺が悲鳴を上げる。距離にして、まだ500mも進んでいないだろう。坂の途中で、一旦休憩。呼吸と気持ちを整える。
「ま、最初だけやろ、こんかキツイのは。」
再び漕ぎ出す。が、その後もかなりの急傾斜が続く。その度に、息も絶え絶えになりながら漕ぐ。漕ぐ。漕ぐ。だが、急坂なので全然進まない。歩くのとほぼ変わらないスピードだろう。足が限界を迎えると、道端にへたりこみ小休止。何度、休憩したかわからない。
「嘘やん!こんなのがまだまだ数kmとか。冗談やろ!」
やっとの思いで坂を登ってカーブを抜けた向こうに、更に急な坂を見た時の絶望感といったら。。。
「ふざけんな、この野郎!」
などと、悪態をつく。つかないとやってられない。
それでも。止まない雨はない。終わらない上り坂はない。
えびの高原、着いたーーー!!!上り始めて、4時間。ひたすら上り続けた。休憩は何度もしたが、漕ぎきった。
この日の行程。というか、高低。高低差。1000mも上がっとるやんけ!そりゃ、キツイはずだわ。この旅で、トップクラスの山越えだった。紀伊半島の龍神スカイラインまでの山道と同じくらいの過酷さだった。
さて、昼飯を食べ一服した後は、えびの高原を散策。
えびの高原駐車場。今夜はここで一泊。標高1200mあるので、朝晩は冷える。普段は、ノースリーブ短パンだが、この時ばかりは上下長袖で上は三枚着込む。
翌日、朝早く起床して、準備をして登山開始。
駐車場すぐ横には、地元の方から教えて頂いた封鎖中の県道。
すぐそばにある硫黄岳から有毒ガスが噴出されているからだ。
登山道は、前半このような樹林帯を抜ける。
少し上がった展望台から硫黄岳(白い山)を眺める。そのすぐ横を通行止めの県道が通っている。白い噴気は有毒の硫化水素。温泉卵でお馴染みのあの臭いだ。風に運ばれて、ここまでその臭いが届く。なるほど、確かにこれは危険だから道路を封鎖するのもやむを得ないな。
樹林帯を抜けると、ガラガラした岩場に変わる。傾斜はそれなりに急だが、体力的には全然余裕だ。そりゃそうだ。毎日険しい九州の山々を自転車で行くのだから、鍛えられている。特に、前日のえびの高原までのサイクリングに比べたら、取るに足らない。
目指す韓国岳は、もうすぐ。
山頂に到着。スタートしてから二時間ばかし。
おぉ、すげぇ!山頂から新燃岳(手前)と高千穂峰(奥)の眺め。新燃岳からは少し噴気が上がっている。数年前に爆発的噴火をし、今も噴火警戒レベルは2なので立ち入り禁止。
大浪池。噴火したあとの噴火口に、雨水などが溜まり池になった。青と緑の対比が美しい。
うひゃ~!スリル満点な韓国岳の火口。手前に置いてある自分の黄色いザックの向こうは、断崖絶壁だ。風がとても強く、バランスを崩したら下までまっ逆さまという状況が恐怖を更にかきたてる。直径200~300m、火口底まで100~200mといったところだろうか。しかし、絶景だ。この風景は、他では中々見られないだろう。
山頂(左手の高まり)を横から見ると、こんな感じ。右手が火口。
山頂にて一休み。風が強くても、日射しは暖かい。新燃岳と高千穂峰を眺めながら、地面に寝そべる。至福。昨日の辛い山越えも、これで報われる。