聖地アルナーチャラでヴィパッサナー瞑想
こんにちは、ポンです。
いま世界を恐れさせいるコロナウィルス。ここインドでも、最南州のケララで3人感染者が出ている。他にも、隔離され経過観察されている人もいるとか。日本は日に日に状況が悪くなっているようだが、早く落ち着いた生活が戻ることを願うばかり。
さて、前回は涼しいデリーから常夏のチェンナイに降り立ったのであった。そこからバスに乗り、4時間で次の目的地・ティルバンナマライへ向かう。
スピリチュアルなティルバンナマライ
聖山・アルナーチャラ。
インド最大級のヒンドゥー寺院。
さて、この旅でヒンドゥー教の寺院をいくつか見たが、どれもあまりしっくり来ない。何故だろう?全体の雰囲気か、建造物の建築様式か。ミャンマーで寺院やパゴダ「仏塔」を見て回ったときは、印象に残っているのに。
世界中から人々が修行しにくる「シュリ・ラマナシュラマン」アシュラム。
内部。外の騒がしい喧騒とは別世界の様に静か。
ホールでは人々が瞑想をしている。
犬もスリーピングメディテーション。
庭に菩提樹。人は木陰で読者したり休んだり。
大分県別府の南インドカレー屋「Tane」さんとバッタリ出くわす。お店を休んで料理研修の旅をしてるとのこと。
アルナーチャラでヴィパッサナー瞑想
アルナーチャラの瞑想センターで、10日間コースに生徒として参加した。
センター入口。
かなり広い敷地。京都の数倍、千葉の二倍くらいあるかもしれん。遠くに見える三角形の屋根の建物は、パゴダ。生徒が個人瞑想時に使用できる。
宿舎と食堂を結ぶ小路。庭には、いろんな花が咲き、蝶が舞い、鳥がさえずる。とても静かで平和な環境。こんな穏やかな心境は、インドに来て以来初めて。
食堂入口。裸足で歩く人も多い。自分も裸足で歩いてみると、足裏の刺激が心地良い。
食堂内部。
宿舎。
宿舎内部。
部屋は二人一部屋だった。古い生徒何名かに、個室があてがわれていた。ところで、ベッドが異様に固かった。空港や駅の床で寝るのとそんな変わらんとすら思った。これは生徒が快眠して朝寝坊しないよう、わざと固くしたセンター側の狙いだと思う(笑)キャンプ用のマットレスを持ってくればだいぶ違ったかな。
最終日のday11、先生、生徒や奉仕者たちと。生徒は大半がインド人、欧米人が十数名。アジア人(東アジア)は俺と奉仕者の韓国女子の二人だった。
瞑想の振り返り
今回が三回目のヴィパッサナー。奉仕者として一回、生徒として二回目だ。
人から、このアルナーチャラのセンターが良いとお勧めされた。
「飯が旨く、環境が良い」
ということだったらしい。
実際、飯は素晴らしかった。米、穀類と野菜中心のヴィーガン食。サンバールライス、ココナッツキャロットカレーや、玉ねぎとセロリのアチャールなどはとても美味しかった。しかし、毎日本当に米ばかり。日本のセンターみたいに一日くらい麺類が出るかなーと期待してたが、ずーっとお米。最終日、聖なる沈黙が解けた後、イタリア人のおっちゃんと喋った。
「ご飯めっちゃ美味しかったよね。でも、毎日お米ばかりなのは、さすがに日本人の俺でも少し飽きたよ。パスタとかピザとか食べたくなったんじゃない?」
と話してたその日の昼食は、お米料理が3種類出てきた。南インドは米社会だ。
環境も良い。美しい庭に、動植物が命を謳歌してる。リスも何度か見かけた。平和的だ。一度、グループ瞑想中にホールのすぐ近くで鳥が鳴き始めた。本当にすぐ近くに鳥がいるようでその鳴き声はとても大きかった。大きすぎて、瞑想の妨げになりそうだ。それまでほとんど音がしなかった静寂、からの賑やかな鳥の鳴き声。それは5分は続いただろうか。ここでそれを疎ましく感じたら、心の平静を無くしてしまう。そこでこう考えた。
「ああ、お前も皆と瞑想したいんだね。だから、仲間に入れて!って言ってるんだね。じゃ、ここに来て一緒に瞑想しよう。」
そう思ったら、疎ましく思う気持ちは和らいだ。やがて、鳥は飛び去って行ったのか、鳴き声は止んだ。アニッチャ、アニッチャ。
自分自身の瞑想を振り返る。瞑想的には少しは進歩があった、かな。にしても、今回も初めてやった時と同じく、人間の三大欲望に苛まれた。大半は食欲。コースが終了したら、何食べようか?ミールス、チャナマサラ、チャパティ、ビリヤニ、ハンバーガー、チョコレート、ケーキ、ポテチ等々と妄想しては、瞑想の邪魔になった。
朝は4時起きで眠いし。時々は悶々としたりした。
今回の瞑想中、過去に出会った色んな人々が頭をよぎった。瞑想のテクニック的には、今この瞬間に集中できてないからよろしくないんだが。とにかく、頭に浮かんできた。特にここ数年の記憶。振り返ると、海外で出会った人も多かった。ニュージーランドやカナダ。あとは自転車日本一週旅。ああ、こんな人もいたな、名前なんだっけ?みたいな事もしばしば。なんで、こんなにも過去の事が甦るのか。それは、外界からの新しい刺激が少ないからだと思う。コース中は、他人とのコミュニケーションは禁止。携帯や読者もダメ。そうなると、自分の意識は自然と己の外側ではなく、内側へと向かう。だから、埋もれていた過去の記憶が呼び出されたのだろう。
そして、その中には、良い関係が築けなかった人も沢山いた。無駄にしがらみを作っただけだったな。俺が無駄な反応ばかりしていたんだな、と改めて思った。
帰りは、ティルバンナマライまでの道を歩いて帰る。8㎞2時間。肉体的にも精神的にも疲れている。10日間の瞑想の日々で、体に負担がかかっている。それでも、重いザックを担いででも1人になりたかった。運動不足になってたし、好きな音楽を聴きながら物思いに耽りたかった。
田んぼとヤシの木?の組み合わせは、日本じゃ見られないな。
遠くから望むアルナーチャラ山。標高は800mほど。よし、体力が回復したら登りに行こう。
結局、道中あまり考え事に集中できなかった。歩いていると、村の子供たちの物乞いや犬たちから吠えたてられた。都市部だと、街の喧騒が騒がしいし。インドは中々、俺を1人にさせてくれない苦笑
そんなこんなでティルバンナマライに戻ってきた。久しぶりのシャバ!
南インドの飯といったらコレ、ミールス!昼定食。大きな葉っぱの上に米と小皿に入ったカレー、炒め物、スープやヨーグルトを盛り付ける。米に好きな物をかけて頂くぶっかけ飯。いろいろかけてぐちゃぐちゃに混ぜて右手で食べるのが、現地流。これがウマい!野菜が多くて健康的やし、辛味や酸味もあるけど、油少なめで全体的にあっさり。なので、いくらでも食べれそう。実際、食堂のおばちゃんがこれ食うか?これもどうだ?ておかわりを勧めてくるので、食べ過ぎてしまう。しかも、おかわり無料。これで80ルピー(120円)て。ミールス、最高か!!!
さて、アルナーチャラ山へハイキングに行く。
先日訪れた寺院が眼下に見える。登りはキツかった。なにせ、30度を超えるなかでの登山。朝寝坊したので、13時スタート。一番暑い時間帯やね。途中、何度か休憩しながら行く。そうすると、ようやく頂上に着いた。
頂上からの眺め。
頂上から別の方角。良い眺め。疲れも吹っ飛ぶ。登り二時間、下り一時間半の合計三時間半。
ゆっくり疲れを癒そうと思って、結局ヴィパッサナー終了から4日間もティルバンナマライに滞在した。