LIFE IS A TRIP! ~Tour de JaPON 「自転車日本一周の旅」~

2018年夏、自転車日本一周の旅へ。自転車歴2ヶ月33才♂が奮闘。2017年秋、スペイン・サンティアゴ巡礼900km完歩。動画は→https://youtu.be/luRrk8gVzeg 好きな国は、ネパール、ミャンマー、スペイン、カナダ。山登り、音楽やサブカル、そして穏やかでイキイキしてる人が大好き。

豊橋でブラジル人の優しさに触れて

こんにちは、ポンです!

 

なんだかんだで、愛知県に一週間も滞在中。では、プレイバック。

 

豊橋
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路面電車。街の中に路面電車があると、懐かしく感じる。路面電車のある街に住んだことはないのに、何故だろう?f:id:sailingday0111:20180731184705j:image

スーパーのインスタント麺売り場にて。さすが愛知、というラインナップ。

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豊橋は、カレーうどんが名物。ここ10年くらいの間に売り出してきたようで。f:id:sailingday0111:20180731184817j:image

美味!

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ブラジル人の友達・ロベルト。彼とはひょんな事からここ豊橋でつい一週間前に知り合った。台風が東海地方を直撃という危機的な状況で、泊まる場所に困っている俺を快く迎えてくれた。初対面にもかかわらず、とても親切にしてくれた。居心地が良くて、結局3泊もお世話になってしまった。

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ロベルトは、トライアスロンをやるスポーツマン。かっこいい。
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料理をご馳走になる。サラダ。
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ビーフ。旨い! 

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ブラジルの伝統料理。ビーフ、豆、ライス、黄色いのは名前忘れた。美味しい!f:id:sailingday0111:20180731185135j:image

ヴァネッサお手製のバナナケーキ。これも美味しい。

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ルームメイトのジョンと。f:id:sailingday0111:20180731185323j:image

翌日は、浜名湖でロベルトの友達たちとツーリング。車に自転車を積んで向かう。

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浜名湖は、一周50kmでアップダウンも多くなく初心者向けな感じ。静かで落ち着いた雰囲気。

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ロベルトの友達たちと。みんな、ブラジル人。気さくで良い人たち。

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ロベルト、楽しかったよ。ありがとう。

 

碧南
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そのロベルトの友達、マリさんとその大家さんと。マリさんも、サイクリスト。愛知は、自転車やトライアスロンをやる人が多いのかな?

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マリさんの家に泊めて頂いたお礼に、親子丼をつくる。いつもの如く。なかなか美味しくできた。麺つゆ最強!

愛知県は、ブラジル、ベトナム、中国、台湾などの外国人が多い。それは、車関係の仕事が多く、仕事が見つけやすいかららしい。

 

 

 

彼らの優しさにびっくりした。

初対面にもかかわらず、二人とも俺に3泊するのを許してくれた。更に、二人とも仕事で家を留守の間、俺に家の合鍵をくれて好きにしていいと言う。家にある食べ物も食べていいよと。極めつけは、マリさん。冷房が効いてる涼しい部屋は彼女の部屋だけだから、一緒の部屋で寝ていいよ、と言う。いやいや、おれ男ですけど!?いいんですか?と訊いたら、わたし気にしない、と答える。。

 

気になっていた疑問をロベルトに訊いた。「何で俺を家に泊めてくれたの?俺、初対面なのに、不安はなかった?」

彼は言う。

「台風で困るだろうから、助けたかった。」

 

何なんだ、この優しさと寛大さは?見ず知らずの違う国籍の人間を、快く泊めさせてあげ合鍵まで渡す日本人が、現在の日本にいったい何人いるだろうか。やはり、国民性の違いなのだろうか?そもそも、親切や優しさって何だろうか?旅をすると、色んな事を考えさせられる。だから、旅は面白い。

 

今、一つ言いたいことは。

ロベルト、マリさん、ブラジルのみんな、ありがとう。

Muito obrigado, amigos! tchau.

ジュビロ磐田の練習を見に行く

こんにちは、ポンです。

ただいま台風をやり過ごす為、停滞中。では、良かった場所をプレイバック。

 

由比
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富士川といえば

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桜えび。河川敷で天日干しにする、というのを社会の授業で習ったよね。f:id:sailingday0111:20180728113255j:image

桜えびが、お出迎え。
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桜えび定食

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かき揚げうまうま。今年は不漁で、例年の半分以下の漁獲量らしい。

 

丸子

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東海道の宿場
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金谷
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大井川を渡ると、

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大井川鉄道がお目見え。レトロな感じがいい。

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駅の中には、昔使われてた車両の展示。f:id:sailingday0111:20180727190524j:image

渋くてかっこいい。旧国鉄時代の車両だろうか。

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大井川鉄道と言えば、SL。
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運よくSL見れた。夏休みだけあって、家族多い。最近は、台湾とかの外国人観光客も多いとか。
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せっかくなので、動くとこ見たくてお見送り。

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童心に帰り、手を振る乗客。フジロックフェスのドラゴンドラと同じだな。

 

磐田
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磐田、と言えばジュビロ!実は、ジュビロ磐田が好き。ゴン中山を好きになって以来なので、かれこれ15年くらい。

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という訳で、こんな機会もそうそうないので、ジュビロの練習場へ。f:id:sailingday0111:20180727191011j:image

名波監督と中村俊輔を発見!何やらずっと話し込んでいた。師弟て感じ。俊輔は怪我が癒えてないのか、別メニュー調整。他にも怪我人が多いなか、ジュビロは粘って中位をキープ。後半戦の巻き返しを期待。

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フリーキックの練習。プロサッカーチームの練習風景を見るのは初めて、面白い。f:id:sailingday0111:20180727191154j:image

GK練習。ジュビロのスタメンキーパーはカミンスキー。その守護神ぶりから、「神ンスキー」、「神ック」とサポーターから愛されている。ポーランド出身。ポーランドのW杯敗退の理由を、訊いてみたかった。f:id:sailingday0111:20180727191325j:image

練習後のファンサ(ファンサービス)。f:id:sailingday0111:20180727191343j:image

この距離感。ファンは嬉しいね。写真は、元日本代表・大久保嘉人f:id:sailingday0111:20180727191357j:image

名波!!!

と撮ってもらえた。ファン対応が素晴らしい!赤ちゃん、親御さん、サッカー少年らに対して、ちゃんと目を見て気さくに対応。かつて黄金期のジュビロを支え、日本代表の10番も背負ったレジェンドは、TVで見たのと同じように人柄も良かった。

人柄良し、選手からの人望厚し、サッカーの腕(足?)良し、ルックス良し、そして愛妻家(毎日、行ってきますのチューをするらしい)て。完璧やん!

 

浜松
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浜松餃子。キャベツ多めなのが、特徴。あっさりしてて、何個でもいける。ただ、個人的にはもう少し肉多めのパンチがある方が好みかな。飯のおかずというよりも、酒のつまみによさそう。野菜多めだから、女性に人気なのかも。

暑すぎて、溶けそう。。

こんにちは、ポンです!

 

房総半島、神奈川ときてただいま静岡に突入。

 

暑い!

暑すぎる。汗が止まらない。休憩、水分、塩分をこまめにとり、昼過ぎには昼寝したり。

 

夜は基本、野宿。公園や道の駅で。水道とトイレ、寝る場所があれば、5つ星ホテル。夜風が吹けば、暑さも和らぐ。蚊に刺されまくるのが、悩み。


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道の駅にて

 
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公園にて。湧き水が湧いてるので、空気がひんやりしてて最高

 

 

 

以下、印象に残った場所

 

湘南 
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藤沢の海岸。奥は江ノ島。サーファーで賑わう。
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サーフボードを自転車にくくりつけて、海へ行く地元民が多かった。初めて見て、なるほどと思った。湘南らしい光景。

 

箱根
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えげつない坂が延々と続く。麓からトップまで標高差700mくらい。正直、ほとんど手で自転車を押して登った。

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俺がちょこっと働いていた、箱根湯本にある旅館。フランスの俳優アラン・ドロンや、「水曜どうでしょう」で大泉洋たちも宿泊したこと有り。(原付西日本編)

外国の観光客が多い箱根エリアの中でも、より外国人に人気の宿。働いていた時は、英語の良い勉強になった。

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自然のど真ん中。最高のロケーション。
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なんと!ご厚意で、無料で宿泊させてもらえた。
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ありがとうございました!

 

三島
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静岡の一番東にある、水がキレイな街。富士山の伏流水(湧き水)が街のど真ん中から湧き出てる。木陰、水の流れる音、涼しい空気と揃っていて、市民の憩いの場、て感じ。湧き水はとても冷たい。こんな死ぬほどクソ暑い日でも、足をつけるのは1分が限界。
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いい雰囲気のカフェ。麻の服も売ってる。スタッフのおばさんと、麻や外国の話に花が咲く。
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三島大社
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柿田川湧水。国道1号線の真下から、こんなキレイな水が湧き出てるのは凄い。

冷たくてキレイな、湧き水万歳!三島、好きだ。

 

 

 

では、暑さにやられないように気をつけながら先を行く。

いい日旅立ち ~日本一周する理由~

こんにちは、ポンです。


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明日から、自転車日本一周始めます。ひとまず西を目指して。


そもそも、なぜ日本一周しようと思ったか?それは、海外を旅したことがきっかけだ。ニュージーランド、ネパール、カナダ、スペイン等に行き、色んな人や文化に触れた。色んな国籍の人々がいた。その人たちの中には、日本のことを好きな人もいた。日本のアニメ、スノボ、陶芸等々に興味があると。純粋に嬉しいし誇らしかった。
だが、そこで俺は思った。はて?いったい、自分はどれくらい日本のことを知っているだろうか?もしかしたら、知ってるようで何も知らないんじゃないか。なら、この目で見よう!自分の国を感じようじゃないか。

これが、日本一周する理由。

 

 

 

日本一周する時に心がけてる点がいくつか。

1. スマホに頼らない
電子デバイスが便利なのは確かだ。検索すれば、何でも情報が手に入る。でも、その便利さが旅を味気ないものにしてしまう。ただの答え合わせに成り下がる。ぼんやりだが、そんな気がしている。なら、スマホはなるべく見ず、トラブルを楽しむくらいの感じで。
道に迷ったら、地図を見る、人に聞く、あとは自分の直感!。基本はこれでいく。


2. その土地の人、風景、食べ物と触れあう
日本は、場所によってその土地の特色が豊かだと思う。方言、郷土料理、気候、文化などに多様性がある。それを見たい。

 

3. 自分が住みたい場所を見つける
穏やかで自然がある場所。山があって、人と人の繋がりが感じられる場所。そんな素敵な所が、日本のどこかにないかな?
無機質でごみごみした都会が苦手、というのは、無い物ねだりなのかもしれない。縁も所縁もないよそ者が移住するのも、とても大変なんだろう。でも、住みたい場所を探す。

 

 

旅立ちにぴったりのこの曲を聞きながら、西へ。


いい日旅立ち 山口百恵 1978.11


哀愁がある。10年以上前、竹内結子のJRのCMで初めて耳にして以来好きだ。ああ、竹内結子かわいかったなぁ。そのCMのキャッチコピーが「discover west」。これから西へ向かう俺に、おあつらえ向きだ。

 

 

 

自転車旅は一応、一年間くらいの予定。でも、途中でやりがいを無くしたら切り上げたり、反対に楽しくなって延長する可能性もあるかもしれない。要は、やってみないとわからない。
ひとまず、事故・怪我のないようにする。では、行ってきます!

日本一周の持ち物など

こんにちは、ポンです。

 

ロシアW杯で、日本がまさかの決勝トーナメント進出!うれしい。逆に、前回王者ドイツの敗退と、サッカーは何が起こるかわからん。個人的には、ハードワークと戦う姿勢が見えるクロアチア応援してる。

海外旅行するようになってから、自分の海外サッカーへの見方、感じ方に変化が出てきた。今大会のフランスの強さについて、フランス人の友人とメールしあったり、スペインとモロッコのチームを見ると、自分が旅先で見た風景が蘇ったり、外国選手の英語インタビューを見ても、何となく言ってることが理解できたり。

違った角度から、サッカーを楽しめるから、海外に行った経験は本当に大きいな。

 
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 (モロッコのカフェにて。自分が旅した時は、奇しくもロシアW杯出場を懸けた試合の時。なので、モロッコの野郎どもはTVに釘付け。)

 

 

 

さて、今日は

日本一周の装備について

 

自転車はこちら。




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丸石のエンペラーツーリングコンダクター。

クラシカルな見た目が気に入った。 

 

 

 

で、後はテントと寝袋はモンベル。実は、「チャレンジ支援プログラム」で定価より安く購入できた。

 

モンベル チャレンジ支援プログラム」

とは
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辺境・未踏の地へ、それぞれの夢を抱いて多くの人たちが冒険・探検の旅へと出かけていきます。モンベルはその目的達成をサポートするプログラムを提供しています。
「チャレンジ支援プログラム」は、モンベルクラブ・ファンドを原資とし、冒険・探検活動、自然保護活動、社会福祉、野外教育、地域貢献など、自然と関わりがあり、社会的貢献度の高いさまざまな取り組みを支援するプログラムです。活動に必要な装備を特別価格で提供するほか、とくに社会性が高いと認められる活動には資金・商品の提供も行います。

 

モンベル | モンベルについて | チャレンジ支援
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チャレンジ支援プログラムに応募して、モンベル様の製品を安く購入できた。ありがたい。

 

以下、三点。 

 

 


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テント

クロノスドームⅡ型

 
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ダウンハガー800 #3

 
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グラウンドシート

 

 

 

てな、具合。

自転車日本一周するぜ!

こんにちは、ポンです!

 

ロシアW杯が始まった。今日のスペイン×ポルトガルの試合は凄まじかった。スペインの精密なボール回しに、土壇場で超絶同点FKを決めるクリロナ。脱帽。痺れました。

 

 

 

さて、ここでお知らせ。

 

自転車で日本一周する!

 

出発は今月末を目処に。期間は一年ちょいくらい。

行く場所は、本州、九州、四国、北海道と沖縄以外。ルートは西周りで、↓な感じ。
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各ステージ毎に見てくと、 

 

①本州(西へ) 
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②九州 
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③四国  
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④本州(北上)
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⑤北海道 
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⑥本州(南下)
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という具合。

 

ただの予定なんで、コースはこれ通りにいかないだろう。今現在行ってみたいところを、ただ線で結んだだけ。旅先で出会った人からの口コミや自分のアンテナにのっかって、訪れる場所を決めたい。

 

ともかく、あと2週間くらいで出発。旅の準備を引き続きすすめていこうと思う!

 

過去を悔やまず

こんにちは、ポンです!

 

今回は、サンティアゴ巡礼の話。またか、と思われるかもしれない。もう、半年も前の事だ。だけど、俺にとっては語り尽くせない程の出来事や刺激、気付きがあった濃密な40日間だったのだ。

 

 


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その日は、巡礼の終盤だった。 スペインの西部ガリシア地方。中部のクソ暑かった畑しかないカラカラの乾燥地帯を抜けると、湿り気を帯びたしっとりした空気が体を撫でる。日本のそれと似ていて、懐かしさに気分が高揚した。足取りは順調。巡礼のハイライトの一つであるサンティアゴ大聖堂まで、残り100kmほどだった。

歩いていると、女がむこうからこっちに向かってくるのが見えた。すれ違おうとすると、女が俺の目の前に立ち止まり、話かけてきた。

 

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スペイン語だ。何を言ってるかわからない。英語で話かける。今度は女が「?」という顔をする。英語は話せないようだ。すると、女はプリントを取り出して俺に見せた。

 

「障害者を支援する団体のものです。障害者の為に、寄付を募ってます。寄付をお願いします。」

 

みたいな事が、英語で書かれていた。

「なるほど。んー、どうしようか。こっちは色々節約して巡礼してるしな。本当に寄付の人かな?」と思った。しかし、「障害者」という言葉が目についた。仲良くなった聾唖のドイツ人ヒッピーの顔が浮かんだ。

 

 

俺は躊躇したが、結局20ユーロ(2500円ほど)を女に渡した。女は微笑んで、立ち去っていった。

 

 


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また歩き始めた俺は、さっきの出来事を思い返していた。

 

「あれって、本当に募金だったのか?同じ事を他の巡礼者にも繰り返して、寄付金を狙った詐欺じゃないか?そういえば、プリントの英文も若干怪しかったし。何より、お金を渡した後、微笑みだけって。グラシアスくらい言ってもいいだろ。俺が逆の立場なら、ありがとうは必ず言うな。でも、本当に団体の人の可能性もあるしなぁ。。」

 

色んな考えが、グルグルと心の中で回る。

 

 

 
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夕方、小さな村に着いた。今日はここに泊まる。宿を探して歩いていると、見覚えのある男を見かけた。オーストラリア出身の巡礼者Vivだ。何日か前に、知り合った。夫婦で巡礼を歩いている。彼らもこの村に泊まるらしい。俺は、胸のモヤモヤを聞いて欲しくて、さっきの出来事を彼に話した。話を聞き終わるとすぐに、彼は穏やかにだがしっかりした口調で言った。

 

「ポン、気に病む必要はないよ。君は、正しいと思って寄付をしたんだ。それでいいんだ。」

 

「でも、詐欺だったかもしれない。」

 

「そこから先は、彼女の問題だ。詐欺だったかどうかは、そんな大きな問題じゃない。大事なのは、君自身だ。君は、君が正しいと思う事をやったんだ。それでいいんだ。」

 

俺は、彼の目を見る。優しい目だ。彼はこう続ける。

 

「でも、もし彼女が詐欺だったとしても」

 

彼が、人差し指を空に向けながら言う。

 

「神様はお見通しさ。」

 

モヤモヤは晴れて、すっきりした気分になる。ああ、すごい。すごいな。彼は、俺のモヤモヤを瞬時に察知して、すぐに事の本質に気付かせてくれたのだ。彼には感謝しかない。

 
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右の男性が、Viv

 

 

 

サンティアゴ巡礼路は、「Magic way」だと誰かが言っていた。その人にとって、必要な人や出来事、物を適切なタイミングで与えるからだという。良い事も悪い事も、だ。俺はその話を聞いたとき、「それはスピリチュアルが過ぎるんじゃないか」と半信半疑だった。

本当だった。サンティアゴの道は、「魔法の道」だ。悪いことも良いことも、その者に与える。

 

 


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この看板を思い出した。俺が住んでたカナダの街ネルソンでみかけたもの。

 

「振り返るな あっちの道には行かないのだから」